高濃度ビタミンC点滴療法は、内服では摂取が難しい「高濃度のビタミンC」を点滴し、体内の血中濃度を急激に上げることで飛躍的な効果を得る治療法です。2005年にアメリカの研究で、ビタミンCの大量点滴療法ががんに有効と報告されて以来、がん治療の代替治療として注目されています。

また、ビタミンCは高い抗酸化作用があることから、美白・美肌作用や全身の若返り効果に関心が持たれ、身体の中から若く美しくなる最先端のアンチエイジング治療として使用されるようになりました。

ビタミンCは水溶性ビタミンの1つです。化学的には L-アスコルビン酸にあたり、健康を維持するために欠かせない栄養素です。しかし、ほとんどの動物はビタミンCを体内で合成できますが、ヒトは合成できない上に、体内に貯蓄しておくことはできないため、食事などから必要量をこまめに摂取する必要があるのです。
また、ビタミンCの血中濃度は、正常な体内では0.5-2.0mg/dLくらいとされています。

高濃度ビタミンC点滴は、食事やサプリメントから摂取するビタミンCの何倍もの量を体内に注入します。この時のビタミンCの血中濃度は、サプリメントを摂取したときの約20~40倍とされており、25ｇ投与の場合、1回の点滴でレモン1200個ものビタミンC が短時間に全身に行き渡ります。これによって、美肌・美白、肌の老化防止などの美容効果のほか、疾患予防・改善、疲労回復・免疫力向上など身体機能の改善に飛躍的な効果を得ることができます。

ビタミンCは水溶性なので、多く摂っても余剰分は尿として排出されます。ビタミンCの血漿濃度は、およそ 400mg/日で飽和すると報告されています。大量に経口摂取しても、血中濃度はある一定以上から上がらないのです。
ところが、直接静脈内にビタミンCを点滴で大量投与すると、ビタミンC血中濃度が経口摂取の数十倍にまで高まります。その結果、必要とする各器官にビタミンCが直接行き渡ることによって、経口摂取とは異なるレベルの作用を得ることができます。

国産のビタミンC製剤は防腐剤が入っているため、高濃度ビタミンC点滴として使用するには不向きです。当院の高濃度ビタミンC点滴療法では、防腐剤が添加されていないマイラン社製ビタミンC製剤を使用しています。ビタミンC製剤のなかで最もナトリウムの量が少なく、輸入ビタミンCの中でもハイクオリティとされるビタミンCです。冷蔵コンテナで２～8度に温度管理された冷蔵環境で輸入された後、国内で保冷保管されています。

G6PD活性が低下している方に高濃度のビタミンCを血中に投与すると、溶急性溶血性貧血発作を起こす危険があるため、25gをご希望の方のみ、G6PD検査(約1分程の簡易検査)を当日受けていただきます。