【空腹は気持ちいい】食べていい空腹＆食べてはいけない空腹の見分け方

お腹が減って仕方がない！空腹感は人間が生きていくために必要な『身体からの信号』で、その欲求を満たす事はとても大切です。

空腹を満たした時、人は幸福感を感じますよね。

しかし、人間には生理的理由で起きる「本物(ホンモノ)の空腹」以外にも、感情的理由で起きる「偽物(ニセモノ)の空腹感」が存在することをご存知でしたか？

「ニセモノの空腹」に騙されているといつまでたってもダイエットは成功しません。

本記事では空腹との向き合い方や、無理なく空腹時間を作る為のアドバイスを紹介していきます。

食べちゃダメ！偽物の空腹とは

偽物の空腹＝エネルギーが足りてる状態で起きる空腹

おいしそうな食べ物を見たり思い浮かべたときに食欲がわいてきて感じる空腹、これらは全て偽物の空腹です。

なぜお腹が減ってないのに空腹を感じるのか。

その秘密は私たちの脳にあります。

食べ物のにおいをかいだり、見たり、思い浮かべると、脳はそのイメージを基に「その食べ物が美味しいか不味いか」を判断します。

美味しいは脳にとってご褒美です。

なので脳が「おいしいやつ！」と判断すると、その情報が摂食中枢を刺激し「コノオイシイヤツ、マタタベタイ」と、食欲がわいてくるのです。

例えば以下のように、とんこつラーメンの画像を見たとします。

するとあなたの脳内では以下のようなことが起こります

こんな感じで脳が誘惑してきているのです。

ちなみに「不味い」という情報は満腹中枢を刺激するので食欲は起きません。

なのでラーメンが苦手な方は上の画像を見ても食欲がわいていないはずです。

五感などで過去の記憶が呼び起こされ、その結果起きた錯覚的な空腹感が偽物の空腹の正体です。

理論上は美味しい物を食べていればいるほどおいしい食べ物の記憶が沢山あるので、偽物の空腹がひきおこされる機会が多いということになりますね。

グルメな人ほど太りやすいのはこのせいかもしれません(笑)

食べてOK！本物の空腹とは

本物の空腹＝エネルギーが足りない状態で起きる空腹

いろいろ難しいことをすっ飛ばして説明すると、空腹は体内のエネルギーが消費され血糖値（血中のブドウ糖の濃度）が低下することがきっかけで起きます。

血糖値が低下すると、体内に蓄積されていた脂肪が分解されてエネルギーになり始め、遊離脂肪酸が作られます。

遊離脂肪酸が血液中に増加すると摂食中枢が刺激され、身体に「身体のエネルギー残量が減ってきているので栄養をください」というサインを送ります。

これが本当の空腹です。

人によって誤差はありますが、最後の食事から5～6時間後して感じ始める空腹感は本物の空腹感と呼んで差し支えないです。

ちなみに食事をして体内にエネルギーが補給され、血糖値が空腹時の2倍程度に上昇すると満腹感が生まれて食欲は低下します。

ただ、満腹中枢に情報が送られるまでには食事を始めてから20分ほどかかるのでその点注意してください。

食べすぎ防止！偽物の空腹を紛らわす方法

本当の空腹を満たさなければエネルギー不足で倒れますし、偽物の空腹を満たし過ぎれば、エネルギー過多で太ります。大切なのはバランスです。

食生活の改善も勿論大事ですが、まずはマインドセットだけでもしっかりと作っておくのがおすすめです。

オートファジー(自食作用)でキレイに痩せる

12時間～16時間程度空腹時間を作ると、オートファジーと呼ばれる自食作用が働きます。

オートファジーとは『栄養飢餓状態に陥った生物が自らの細胞内のたんぱく質をアミノ酸に分解し一時的にエネルギーを得る仕組み』のことです。

2016年、大隅良典さんが「オートファジーの仕組み」を解明しノーベル生理学・医学賞を受賞したことで一躍有名になりました。

オートファジーが作用すると、身体の老廃物がなくなり、細胞や組織機能も活性化するので、花王やポーラ、エスティローダーなど、美容業界も注目しています。

最初の数日間は空腹感が強く、イライラも生まれますが、この強い空腹感は数日もすればどこかに消えていくので安心してください。

慣れてくると、空腹感が心地よく感じるようになりますし、集中力が増して感覚も研ぎ澄まされていくと感じる方も多くいます。

空腹感は身体にメリットが多い

ダイエット、オートファジー、生産性や集中力の向上、胃を休めるきっかけになる、など、

空腹感とは決して悪い物ではなく、むしろ身体にとってメリットも多いんだとわかっていただけたかと思います。

さらに、空腹感は人間の長期記憶力を向上させるという可能性も示唆されており、空腹の健康上メリットにも目が向けられています。

参考：科学技術振興機構

ちなみに、安全上の理由からギネスブックには掲載されていませんが、スコットランド出身のアンガス・バルビエーリさんという方が382日間の断食を達成したという世界記録があります。

医師の監修のもと、ビタミン、ミネラル、水、お茶、ブラックコーヒー、炭酸水のみで生活し、207kg⇒125kgの減量に成功しています

固形物無しでの断食記録として、この記録は今でも誰にも破られていません。

ここまでしなくてもいいですけど、こんな話を聞くと、世界に382日間も断食できる人がいるなら、毎日少しくらい空腹を我慢するのくらいへっちゃらな気がしませんか？

とるべき栄養はしっかり取るべきですが、お腹が減った時『これは本当にお腹が減っているのか』と自分に問いかけながらキレイに痩せられるように頑張っていきましょう。