本記事は医師監修の下執筆されております。
脂肪冷却のダイエット効果や料金、メリット・デメリットを解説
2020.08.24
「脂肪冷却」というダイエット方法が評判になっています。
脂肪冷却とは、読んで字のごとく「脂肪」を「冷却」し、痩身効果を期待するものです。
「え!?脂肪って冷やすと消えるの?」と思った人もいるでしょう。
そうなんです。ダイエット中の人にとって憎き余分な脂肪は、冷やせば減らせるのです。
今回は、脂肪冷却の方法や効果、費用について徹底解説します。
目次
アイスキャンディーを食べる子供からヒントを得たダイエット
2008年、米国レーザー学会で発表された研究により、脂肪は4℃以下の温度で凍ることがわかりました。これを「クライオリポライシス理論」といいます。
実は脂肪冷却はハーバードの科学者たちがアイスキャンディーを食べる子供たちにえくぼができているところから着想を得たという面白いエピソードがあります(アイスキャンディーの冷却により脂肪部分だけがダメージを受けえくぼになったという仮説を思いついた)。
従来の痩身機器だと、温めて脂肪の代謝を促したり、超音波で脂肪細胞膜を壊したりするのが主流でしたが、このクライオリポライシス理論に基づき、脂肪を燃やしたり溶かしたりする方法ではなく、脂肪をシャーベット状に凍らせて減らす痩身方法が誕生しました。
この治療方法はクールスカルプティングと呼ばれ、脂肪吸引に代わる痩身医療として注目を集めています。
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クールスカルプティングのメカニズム
人間の身体の60~70%は水分でできています。水は0℃以下にならないと凍りません。
そのため、皮膚の表面から4℃前後の温度で冷やしても、皮膚や筋肉、血管などの組織に悪い影響は与えません。
しかし、4℃前後の温度で冷やされた脂肪細胞は細胞死し、老廃物として体外に排出されます。
これがクールスカルプティングのメカニズムです。
ちなみに脂肪冷却を受けた1,000人以上の海外データの分析では、治療部位の脂肪は平均で約25%減少したという結果もあります。
副作用は一時的な赤み、あざ、痛み、しびれなどだと言われています。
冷やすと痩せるからといって氷を直接肌に当てて脂肪冷却を試みるのはやめてくださいね!凍傷になりますので(笑)
脂肪冷却はどこでできる?
脂肪冷却装置にはさまざまな種類のものがありますが、「冷却による脂肪減少装置」として厚生労働省より認可を受けているのは、「クールスカルプティング」という冷却装置のみです。
このクールスカルプティングは、医療従事者しか使えない医療機器であるため、美容クリニック等の医療機関でしか施術を受けられません。
一方、エステサロン等で使用される冷却装置は、クールスカルプティングの類似品というケースがほとんどです。
類似品だからといって効果が100%ないとは言い切れませんが、熱傷や凍傷など健康被害の報告もあるため、脂肪冷却を受ける際は、安全性をしっかり確認したうえで美容クリニック等の医療機関を選択することが大切です。
脂肪冷却のメリット
- ①身体へのダメージがない
-
脂肪細胞だけを凍らせるため、皮膚や神経、血管など他の組織へのダメージがありません。施術中も傷みや違和感がほとんどないので、リラックスした状態で施術を受けられます。メスや麻酔を使わないため、日常生活への影響がほとんどないのもうれしいポイントです。
- ②リバウンドが少ない
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脂肪細胞自体が減るため、長期にわたって効果が持続します。その結果、リバウンドしにくいといわれています。
- ③部分痩せが可能
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気になる部分をピンポイントで細くするのは、とても難しいものです。脂肪冷却なら自分の気になる部分を冷却するため、部分痩せが可能となります。
脳
脂肪冷却は二重あごや太もも痩せといった部分痩せに向いている治療法だよ!
脂肪冷却のデメリット
- ①費用が高額
-
「クールスカルプティング」による脂肪冷却は保険外治療です。そのため、クリニックで施術を受ける場合は1回10万円前後の費用が必要となります。大抵の場合複数回施術を受ける必要があるので費用がかさむ可能性があります。
- ②即効性がない
-
施術後2~4カ月の時間をかけて、細胞死した不要な脂肪細胞が体外に排出されます。そのため、施術後すぐに効果を実感できるものではありません。一般的に、2カ月くらい経ってから見た目に変化が現れる人が多くなっています。
- ③火傷・凍傷のリスク
-
治療の最も一般的な副作用には、治療部位の発赤、あざ、腫れ、うずき、しびれ、または黒ずみがあります。
- ④脂肪が増えるリスク
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発生確率は1%未満と言われていますが、極度の脂肪分解では治療部位の脂肪が増えることがあります。
脳
脂肪冷却は全身痩せには向いていないよ!あくまでピンポイント!
脂肪冷却の施術内容
脂肪冷却の施術手順
- 脂肪が気になる部分の確認をしたり、注意事項の説明を受ける
- 経過の確認をするため、写真撮影
- 冷却する部分にマーキング
- 火傷や凍傷を予防するシート・ジェルを塗る
- 冷却装置を当てる
- 冷却する部分を掃除機のような器具で吸引しながら、30分前後冷却
- 装置を外して5分程度マッサージをしたら施術完了
1回の施術によって、対象部位の約20%の脂肪を減らすことができます。そのため、ほとんどの人が1回の施術でも効果を実感できるはずです。
しかし、効果には個人差があります。理想のボディラインを手に入れるため、何度か施術を繰り返すケースも珍しくありません。必要な回数については、施術前のカウンセリングで確認することをおすすめします。
なお、同じ部分を冷却する場合は2カ月の期間を空けるのが基本です。
脂肪冷却できる身体の部位
脂肪冷却の施術が可能な部位は手でお肉をつまめるような場所が主流です。
- アゴ
- お腹周り
- 背中
- 二の腕
- 内もも
- お尻
- 膝上
- ブラファット(ハミ肉)
女性がきになる部分は基本的に施術可能ですね。
全身部位を同時に受ける事はできませんのでご注意。
脂肪冷却の料金相場はどのくらい?
脂肪冷却の料金の一例を紹介します。
部位 | 価格 |
---|---|
腹部、背中、脇腹 | 1回約5~10万円(1箇所) |
二の腕、腰、内もも、背中、お尻、アゴ下・膝上 | 1回約5万円(1箇所) |
部位 | 価格 |
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背中、お腹、腰、お尻、太もも、ふくらはぎ | 1回約5千 ~1万円(1箇所) |
ネットで買える脂肪冷却ダイエットグッズは効果ある?
実はAmazonや楽天などで探すと数万円で脂肪冷却機を買う事ができます。
しかし効果については玉石混交で判断しようがないというのが正直な所です。
原理としては脂肪細胞を4℃に冷やして脂肪細胞を壊せば効果が出るはずですが、今のところ『これがおすすめ!』という商品はないように思われます。
ただ、個人的な意見を申しますと、時間がたって脂肪冷却の効果が認められれば、大手日本メーカーも脂肪冷却機に参入してくる可能性はありますし、今あせって購入しなくても良いと思います。
脂肪冷却は画期的なダイエット方法
脂肪を冷却し脂肪細胞を体外に排出する「脂肪冷却」は、科学的にも証明されているダイエット方法です。
安全性も確立されているため、安心して施術が受けられます。
しかし、施術機関によっては、効果が現れないだけでなく火傷や凍傷のリスクがある装置を使っている機関もあります。
そのため、脂肪冷却は、きちんと評判や実績を確認したり、説明を聞いたりしたうえで施術を受けることが大切です。
本記事のまとめ
- 厚生労働省認可の冷却装置はクールスカルプティングのみ
- 脂肪冷却は全体的に痩せるのではなく部分痩せに適している
- 即効性はなく時間はかかるが効果は高い
- 複数回の施術が基本なので費用はかさみがち
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