本記事は医師監修の下執筆されております。
カラダにつく3種類の脂肪とそれぞれの落とし方
2020.08.25
20代ではそれほど気にならなかった身体の脂肪が30代になった途端に気になりだす、なんてことはよくある話です。
年齢を重ねると基礎代謝が落ちて体脂肪がつきやすくなります。
ぽっこりお腹やぷよぷよ二の腕、ムチムチ背中をどうにかしたいと考えているなら、まずはダイエットの敵である脂肪について知っておくことが大事です。
というわけで今回は『身体につく3種類の脂肪』とそれぞれの落とし方について解説をしていきます。
目次
人のカラダにつく3種類の脂肪
炭水化物やタンパク質と同様、脂質(脂肪)は身体にとって大事なエネルギー源です。
体内では水分の次に多いのが脂肪と言われています。人によって差はありますが、一般的には体重のうち20~25%が脂肪です。
体脂肪率が標準よりも大幅に低いと「やせ」、大幅に高いと「肥満」といわれます。
また、脂肪は特徴により以下の3種類に分けられます。
カラダにつく脂肪
- 皮下脂肪
- 内臓脂肪
- 異所性脂肪
「太ってしまった」「脂肪がついてしまった」と同じように話している人がいても、実際にはそれぞれの人についた脂肪の種類は異なっている場合があります。
この後、3つの脂肪について詳しく紹介するので、自分の気になる脂肪はどれにあてはまるのかをしっかりとチェックしておきましょう。
目次
皮下脂肪:カラダにまんべんなくつく皮膚の下の脂肪
皮下脂肪の特徴
- 運動不足や食べすぎが原因でつきやすい
- 二の腕、お尻、太ももなど全身にまんべんなくつく
- 女性につきやすい
- すぐに落とすのが難しい
「皮下脂肪」は、主に食べ過ぎや運動不足などにより、皮膚の下に蓄積される脂肪です。
皮膚と筋肉の間に存在することにより、温度変化がある外気の影響を受けやすい体温を一定に保つ働きがあります。
男性と比べて女性につきやすい脂肪で、知らぬ間にじわじわと蓄積されていき、気づいたときには減らしにくい状況になっていることが多々あります。
脳
女性に皮下脂肪がつきやすいのは授乳期の蓄えとしてと言われているよ!
皮下脂肪がつきやすいのは、二の腕のほか、お尻や太ももなどの下半身で、特に薄着をする季節になると目立ちやすい場所ばかりです。
皮下脂肪がつくと、体の下半分に丸みが出る形になることから、皮下脂肪により太ってしまった体型を「洋ナシ型肥満」と呼ぶこともあります。
下半身太りが気になっているなら、皮下脂肪がたくさんついてしまっている可能性大です。
皮下脂肪が増えた場合の健康リスク
皮下脂肪が増えると起きるリスク
動脈硬化、関節痛、睡眠時無呼吸症候群、月経異常など
皮下脂肪は、増えると動脈硬化のリスクが高まるため注意が必要です。さらに、関節痛や眠ると呼吸が止まってしまう睡眠時無呼吸症候群、女性にとっては不安な月経異常を引き起こすこともあります。
皮下脂肪は落とすにはどうしたらいい?
- 食事制限←大事!
- 全身の筋トレ
- 有酸素運動
長年の生活習慣で少しずつ増えていく皮下脂肪を落とすのはとても大変です。
筋トレや有酸素運動などが必要になってきますが、最も大事なのは食事管理です。
摂取カロリーを消費カロリーより少なくしないことには皮下脂肪はなくなりません。
内臓脂肪:リンゴ型に太るお腹周りにつく脂肪
内臓脂肪の特徴
- 食べすぎや加齢でつきやすい
- 極端なダイエットのリバウンドでも増える
- 内臓がたくさんあるお腹の周りにつく
- 男性や更年期以降の女性はつきやすい
「内臓脂肪」は、食生活の乱れや食べ過ぎ、加齢などを主な原因とする、内臓周辺についた脂肪をいいます。
内臓の配置を維持する役割をもつことから、特にお腹のなかでも腸の周辺につきやすいのが特徴です。
下半身に蓄積されやすい皮下脂肪の「洋ナシ型肥満」に対して、内臓脂肪は身体の中央部にあるウエスト周りにふくらみをもった形になるため「リンゴ型肥満」とも呼ばれています。
男性や更年期以降の女性に多く見られます。お腹だけぽっこりでてる男性は大抵内臓脂肪を沢山蓄えていると言えます。
BMIが正常でも内臓脂肪が多いということもあるので注意が必要です。
内臓脂肪が増えた場合の健康リスク
皮下脂肪が増えると起きるリスク
高血糖、高血圧、心臓病、脳卒中など
内臓脂肪は高血糖や高血圧などを引き起こす要因です。ひどいときには心臓病や脳卒中といった命の危険が生じることもあります。
内臓脂肪を落とすにはどうしたらいい?
- 低糖質、高たんぱくの食事
- 麹やお酢などの調味料を取り入れる
- 有酸素運動
内臓脂肪はカラダにつきやすいのですが、分解もされやすいので落とすのも比較的簡単だと言われています。
糖質を減らし、タンパク質をしっかり摂る。食事の際はまず野菜を先にたべ、必要に応じて有酸素運動を取り入れれば比較的するに改善されます。
ココナッツオイルや麹、お酢などを食事に取り入れると効率的に内臓脂肪を減らせますよ
異所性脂肪:お腹周りや皮膚の下以外につく脂肪
異所性脂肪の特徴
- 皮下脂肪でも内臓脂肪でもない脂肪の総称
- 心臓、肝臓、すい臓、筋肉回りにつくことが多い
- 日本人につきやすい
「異所性脂肪」は特定の場所につく脂肪を示すものではなく、皮下脂肪にも内臓脂肪にもなれなかった脂肪を指します。
そうはいっても、全身どこにでも見られる脂肪かというとそういうわけではなく、骨格筋という筋肉や、本来であれば蓄積されにくい臓器内に蓄積されることが通常です。
骨格筋は骨についていて体幹を支える大事な筋肉です。食べ物に含まれている糖質を吸収し、エネルギーに変えて貯蔵する働きがあります。骨格筋に異所性脂肪がたくさんたまると、その働きがスムーズに行われなくなるため要注意です。
一方、内臓の場合、心臓や肝臓、膵臓などの内部やその周囲につくことが一般的です。個人差はあるものの、内臓脂肪の少ない人に比べると多い人のほうがたくさん蓄積されやすい傾向にあります。
また、欧米人よりも日本人に多く見られることも特徴です。日本人は欧米人よりも皮膚の下に脂肪を蓄える力が低いことが理由とされています。皮下脂肪として蓄積されなかったものが内臓脂肪となったり、異所性脂肪としてたまりやすくなったりするのです。
異所性脂肪が増えた場合の健康リスク
異所性脂肪が増えると起きるリスク
脂肪肝、肝硬変、肝がん、心筋梗塞、糖尿病など
異所性脂肪については、つく場所によってリスクのある病気が異なります。内臓内についた異所性脂肪で最もリスクが高いのが脂肪肝です。
お酒を飲まないから大丈夫と思っている人も、脂肪で脂肪肝になる可能性もあります。
内臓脂肪と並行して肝臓にたまると肝硬変や肝がんを引き起こしたり、心臓やその周辺に付着すると心筋梗塞の要因となったりする場合もあります。
骨についた脂肪はインスリンの働きを悪くし、糖尿病のリスクを高めます。
異所性脂肪を落とすにはどうしたらいい?
- 内臓脂肪を減らす。つまり、
- 低糖質、高たんぱくの食事
- 麹やお酢などの調味料を取り入れる
- 有酸素運動
異所性脂肪をどのように減らすか、実はコレだ!という定説はないのですが、脂肪のつく順番や性質から内臓脂肪を減らすのが効果的なのでは?と言われています。
数時間の運動でも減少すると言われているので、食事制限以外にも有酸素運動を取り入れると効果的です。
脂肪を減らすには結局食事制限が大事
皮下脂肪、内臓脂肪、異所性脂肪は人によってつきやすいものが異なります。しかしそのどれもに共通する対処法はやはり食事制限です。
食生活を見直さない事には脂肪を減らすことは難しいでしょう。
手に負えなくなってから慌てないためにも、気になりだしたときをよい機会と考え、自分にリスクの高そうな脂肪に向けてしっかりと対策をとっておきましょう。
本記事のまとめ
- 皮下脂肪は全身につき落ちにくい
- 内臓脂肪はお腹に多く落ちやすい
- 食事制限や食事管理が最も大事
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