本記事は医師監修の下執筆されております。
太りやすい体質かどうかは思春期までの脂肪細胞の数で決まる?
2020.05.24
何を食べても全然太らない人、何しても全然痩せない人、この違いってなんだと思いますか?
もちろん普段の食生活や代謝量なんかも関係してきますが、体質の話で言うと
- 痩せやすい体質⇒脂肪細胞が少ない
- 太りやすい体質⇒脂肪細胞が多い
これだけなんです。
脂肪細胞の数が多ければ多いほど太りやすくなる。実に単純明快です。
そして、脂肪細胞の数は思春期までに太った経験があればあるほど多くなります。
というわけで今回は『太る』と密接な関係にある『脂肪細胞』のお話です。
目次
太るとは肥満細胞が肥大化すること
脂肪細胞とは脂肪滴と呼ばれる脂肪のかたまりをもつ細胞です。
脂肪細胞は白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞にわけられますが、『太る』に関係しているのは白色脂肪細胞です。
脂肪細胞の種類
- 白色脂肪細胞=余分なエネルギーを脂肪として保存
- 褐色脂肪細胞=白色脂肪細胞をエネルギーとして燃焼
飢餓状態になってもある程度生き伸びられるように、白色脂肪細胞は余分なエネルギーを中性脂肪として蓄えているのですが、必要以上にエネルギーを取り込みすぎると細胞内の中性脂肪が増え、細胞自体がどんどん大きく(肥大化)します。
白色脂肪細胞が過剰なエネルギー摂取で肥大化する、ざっくりいえばこれが『太る』ということです。
脳
エネルギーの枯渇などで白色細胞が小さくなれば、それは『痩せる』ということだね!
ちなみに褐色脂肪細胞は加齢とともに減っていく傾向があるので、意識的に増やすことは難しいと言われています。
京都大学、生理学研究所他のマウスを使った実験にて「冷たい刺激にさらされると褐色脂肪細胞が活性化する=代謝が増える」という研究結果がでています。気になる方はコチラをどうぞ。
目次
一度増えた脂肪細胞の数は一生減らない
1つの脂肪細胞が蓄えられる中性脂肪の量は決まっていて、限度オーバーすると脂肪細胞は増殖し数を増やします。
脂肪細胞の数が増えれば増えるほど太りやすく痩せにくい体質になります。
そして、
『一度増えてしまった脂肪細胞は減る事はない』と言われています。
ただ、脂肪組織自体が死滅したり、外科手術で脂肪の吸引や切除したら脂肪細胞の数は減りますし、遺伝子や細胞の話なので絶対こうだ!ってことはないと思います。
他のウェブサイト見ると『脂肪細胞は一度増えると絶対減らない!』という感じで断定してますが、あくまで通説としてはこういわれてますよってくらいでいいと思いますよ。
ただ脂肪細胞は食事制限をしても運動をしても減らない、一度増えたらなかなか減ってくれないやっかいなヤツくらいの認識はもってくださいね。
脂肪細胞が増えやすい時期=身体が大きく成長する時
じゃあ脂肪細胞は生きている限り増え続けるの?と思うかもしれませんがそれも違います。
実は脂肪細胞の数は胎児期、乳児期、思春期の3つで増えやすく、この時期に太った経験があるとその後も肥満体質になりやすいです。
脂肪細胞が増えやすい時期
- 胎児期(妊娠後期)
- 乳児期(生後1年)
- 思春期(8歳~18歳頃)
思春期以降は脂肪細胞の数は一定となり、増えたり減ったりすることはほとんどなくなります。
肥満体型で痩せにくいという人はこれらのタイミングのどこかで太った経験がある人も多いのではないでしょうか?
胎児期に脂肪細胞が増えやすいのはなぜ?
乳児や思春期はわかるけど、なぜ生まれる前から脂肪細胞の数がきまるの?と疑問を持った方もいるかと思うので解説。
人は他の哺乳類に比べて胎児期に沢山の脂肪を蓄えて生まれてくると言われています。
普通の赤ちゃんで体脂肪率は大体20%くらいで、チンパンジーだと4%くらいなのでその差は歴然です。
なぜ人の胎児はこれほどまでに脂肪が多いかというと、体毛の少ない赤ん坊が外の環境でも生き延びる為、自分ではなにもできない分、出生後の成長に必要な栄養素を蓄えているからだと考えられています。
こういった理由から胎児期は脂肪細胞が増えやすいのです。
思春期までに太った経験がある人はどうしたらいい?
思春期までの時点で太った経験がある人はそうでない人に比べて脂肪細胞の数が多いので、太りやすくやせにくい体質になりやすいです。
ただ、これに関して悲観するのはやめた方がいいです。
変えられない事を嘆いたり悩んだりするのはとても時間がもったいないからです。
ここまで書いておいてあれなんですが、一般的な人と比べて痩せにくい可能性があるかもってだけで、そこまで致命的な体質ではありません。
きちんとした食生活や運動をすれば痩せますし、誰だって自分の理想に近づけます。
なのでまずは『私は脂肪細胞が多くて痩せにくい』とまずは自分の体質を受け入れることが大切です。
当サイトでは太りやすい体質の方に対しても、食欲やダイエットに関する正しい情報をわかりやすく発信していますので、ぜひ他の記事もご覧ください。
この記事のまとめ
- 太るとは脂肪細胞の肥大化が原因
- 脂肪細胞の数が多いと太りやすくなる
- 胎児期、乳幼児期、思春期に増えやすい
- 思春期以降、脂肪細胞の数は増減しない
- 脂肪細胞が多くても気にしすぎはNG
- 自分の体質を受け入れよう
コメント