本記事は医師監修の下執筆されております。
『太るのが怖い』『極端な痩せ願望』にひそむ摂食障害のリスク
2020.06.30
体形を気にしすぎて無理なダイエットで心身のバランスをくずし、拒食や過食に悩まされる方が増えています。
「摂食障害なんてただの食生活の乱れでしょ」とあなどってはいけません。
摂食障害は深刻化すると死亡率は6%~20%と非常に高い精神疾患なのです。
摂食障害は、痩せている身体が美しいという美意識がある社会で起こりうる精神疾患です。
- いつも自分の体重が気になっている
- 食べる量をコントロールできない
- 標準体重では満足できない
- 体重は少なければ少ないほどいい
上記のどれか一つにでもあてはまったならぜひ一度本記事をご覧ください。
目次
摂食障害の原因は『痩せたい』という強い願望
摂食障害は心理的社会的ストレスによって引き起こされるメンタル疾患のひとつです。
治療には時間がかかるので早期発見が大事なのですが、多くの人は病気である自覚すらなく治療したがらないので深刻化しやすいという問題もあります。
多くの場合、太ることへの異常な恐怖(肥満恐怖)や自分の体重に対する自己評価の認知のゆがみなどが原因であり、けっして本人に食欲がないわけではありません。
摂食障害を引き起こしやすい原因
- 極端な痩せ願望
- 肥満恐怖
- 標準体重に対する認知のゆがみ
この病気の本質は「痩せたい」という強い願望です。
目次
摂食障害の種類:拒食と過食
摂食障害には、①拒食症や②過食症があり、簡単に言えば、拒食症は食事の量が極端に減る、過食症は大食をしてしまうのが特徴です。
- 拒食症:極端に食べない
- 過食症:極端に食べる
「食事の量が極端に減った後に大食いをしてしまう」のように、拒食症や過食症の症状が交互に現れてくるケースもあります。
過食症の人には、食べ過ぎたものを後から吐いてしまう過食嘔吐の症状が見られる人もいます。
摂食障害が引き起こす恐ろしい症状
10代~20代女性の内、拒食症は約500人~1000人に1人、過食症は30人~100人に1人いると言われています。
拒食症(神経性食欲不振症)の主な症状
- 生理不順
- 精神疾患
- 抑うつ状態
- 頭髪が抜け落ちる
- 骨がスカスカに
- 不妊リスク
- 感染症リスク
過食嘔吐症(神経性過食症)の主な症状
上記の症状に加えて
- 胃酸で歯が溶ける
- 唾液腺が腫れて顔がむくむ
といったことが起きます。
拒食症の死亡率は約10%で過食症の死亡率は0.3%とされています。
拒食症や過食症になりやすい人は?
こんな人は要注意
- 自分の体型へのこだわりが強い
- 自尊心が低い
- 外見のコンプレックスを抱えている
- 家族や友人などの対人関係に問題を抱えている
- 日常から強いストレスを感じている
- 過度な食事制限をしている
- その反動でドカ食いする
- ドカ食い後、罪悪感に襲われる
肥満に対する恐怖だけでなく、大恋愛の失恋や人の死、過去のトラウマなどがトリガーとなって摂食障害の症状がでてくる人もいます。
実際の所、摂食障害の原因に「これだ!」というものはないのですが、多くの場合、心身に大きなストレスがかかっているという点が挙げられます。
摂食障害の悪循環から抜け出すためにできること
摂食障害は慢性化するだけでなく『拒食して→過食して→嘔吐して→拒食して→過食して→嘔吐して』という風に無限ループしやすくその悪循環から抜け出しやすくするために出来ることを書いていきます。
①自分を責めない
自分が太って見えても、食べすぎても、過食嘔吐してしまっても、自分を責めないであげてください。
完璧でなくてもいいんだよと言い聞かせて、リラックスしましょう。
まずは肩の力を抜いてね。
②痩せる以外の美しさにも目を向ける
せっかく痩せても髪の毛が栄養のないぱさぱさヘアーだったらがっかりですよね?
爪を磨いたり、ネイルしたり、顔パックしたり、髪のトリートメントをしたり、エステにいったり、マッサージしたり、ちょっと高級な化粧水使ってみたり、etc
美しくなるために努力をしてる自分を褒めてあげるとさらに効果的です。
③自分を必要としてくれる所に行く
家族でも友人でも趣味の世界でもゲームでも、なんでも構わないので、自分の事を必要としてくれる存在がいる場所に行きましょう。
自分は愛されているんだと感じることはすごく心の栄養になります。
もし「そんな場所ない!」「そんな人いないよ」って方がいらっしゃったら、ペットとじゃれあうのもおすすめです。
④信頼できる医療機関に相談をする
①~③は心理学者のラザルスが提唱したストレス対処法(ストレスコーピング)を応用して独自に私が考えたもので最適案ではありません。
症状が重かったり、長く続いていたりするときは、摂食障害の治療をしている医療機関に相談してほしいです。
カウンセリングや認知行動療法などを行っている医療機関なら、根本的な原因を見つけてアプローチができるでしょう。
原因を見つけて摂食障害を改善していこう
過食嘔吐などの摂食障害は、原因を見つけることが解決するための近道になります。拒食や過食の症状には、自分で考えている以上に大きな問題が関係していることがあります。
症状が重いときでも、諦めずに医療機関などに相談しながら解決法を探ってみましょう。
早い段階で対処法を考えれば、症状が深刻化しないうちに手が打てる可能性があります。
この記事のまとめ
- 肥満恐怖は摂食障害を引き起こしやすい
- 心のストレスも摂食障害の一因
- 自分をいたわるのが大事
- 心配なら専門医療機関へ
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