本記事は医師監修の下執筆されております。
食欲抑制剤の効果は?ダイエットに使える漢方やサプリQ&A
2020.08.03
年齢を重ねるとともに、いったん体重が増えるとなかなか元にもどらなくなるのは世代共通の悩みでしょう。
運動や食事制限といったダイエットの基本に加え、体重を落とす薬剤やサプリ、いわゆる『やせ薬』に興味がある人も多いかと思います。
食欲抑制剤としては「サノレックス」が知られていますが、その他にも様々な商品があります。
おすすめできるかできないかは別として、今回は医薬品や漢方薬、サプリについてQ&A方式で分かりやすく解説してみました。
目次
厚生労働省が認可した食欲抑制剤「サノレックス」
- サノレックスってなに?
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厚生労働省が正式に認可している食欲抑制剤です。
- サノレックスにはどんな効果があるの?
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有効成分のマジンドールが、食欲の調節機能をはたしている食欲中枢に作用して、食欲を抑制する働きがあります。サノレックスの服用によって、いつもより食事量が少なくても空腹感が抑えられることから減量につながります。
- サノレックスはどこで買える?
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サノレックスは病院での診断の後、医師に処方箋を出してもらって購入するのが一般的です。
- サノレックスは薬局では買えない?
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通販やドラッグストアで市販薬としての購入はできません。主成分のマジンドールは向精神薬の一種として厚生労働省に登録されており、通販での販売は禁止されています。また、すべての医療機関がサノレックスを取り扱っているわけではありません。病院に行く前に、ネットや電話などでサノレックスを用いた肥満治療を行っているかを確認しておきましょう。
- サノレックスの治療にはどんなメリットがあるの?
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厚生労働省が認可した食欲抑制剤のため、医師に相談しながら肥満治療が行えるのは大きなメリットです。また、サノレックスの治療は、3カ月間を限度として投与期間はできるかぎり短期間とすることや、1カ月以内に効果が見られなければ投与を中止するなど、適切な治療方法が確立されています。医師の指導のもとで、しっかりと管理された状態で治療が行われることから、リバウンドしにくいのもメリットです。
- サノレックスには保険適用はある?
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BMI値が35以上の高度肥満症の場合には、保険が適用されて治療費の軽減も図れます。
- サノレックスの副作用は?
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主な副作用は、口の渇きや便秘、頭痛などです。人によっては、不眠や吐き気、動悸などの症状が出る場合もあります。治療を始めて間もない時期には、倦怠感や脱力感、悪心などが出ることがあります。
当院では満腹感を長続きさせて食べすぎを抑える「GLP-1ダイエット」を提供しています(モニター実績-4.3kg)。安全性や効果についてまとめた記事はコチラ
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日本では認可されていないが海外で使われているダイエット薬
医薬品の認可は臨床試験を繰り返す必要があり、私たちが実際に利用できるようになるまでに長い時間がかかることがほとんどです。
世界の国々でダイエットのために利用されていても、日本ではまだ認可されていない医薬品も少なくありません。
そういった医薬品のなかから、日本国内で注目されているものを紹介していきます。
脂肪の吸収を抑制する「ゼニカル」
- ゼニカルってなに?
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脂肪の吸収を抑制する医薬品です。スイスの老舗製薬会社ホフマン・ラロシュ社が開発し、1998年から販売しています。
- ゼニカルにはどんな効果があるの?
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有効成分『オーリスタット』が脂肪を体内に吸収するために必要な酵素リパーゼの働きを阻害、その結果、脂肪の吸収が約30%抑制され、体に吸収されなかった脂肪を便とともに体外へ排出します。
- ゼニカルの副作用は?
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副作用としては、便意が頻繁になることや、おならをすると油分が出てしまう場合があることが挙げられます。また、ゼニカルの作用により、脂溶性ビタミンであるビタミンA、D、E、K、βカロテンの吸収も阻害されることから、それらを補うためにマルチビタミン剤との併用が推奨されています。
糖質の吸収を遅らせる「ボグリボース」
- ボグリボースってなに?
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糖質の消化・吸収を遅らせる医薬品です。
- ボグリボースにはどんな効果があるの?
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食事で摂取された炭水化物は、小腸内でα-グルコシダーゼという酵素によって糖質に分解されます。「ボグリボース」はこのα-グルコシダーゼの働きを阻害することで、糖質の消化・吸収を遅らせます。結果、体内の糖質が一時的に足りない状態となり、備蓄されている脂肪が使われることでダイエット効果につながります。
- ボグリボースの副作用は?
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おならが多くなることや腹部膨張感と言われています。まれに低血糖状態になる人もいるようです。その場合には砂糖を摂取するのではなくて、体内にすぐに吸収されるグルコースを直接摂取する必要があります。
ちなみに糖質の吸収を抑える医薬品は他にもありますが、日本でもっとも多く処方されているのがボグリボースです。「ベイスン」という医薬品の名前を聞いたことがあるでしょうか。ベイスンの有効成分はボグリボースです。
ダイエット関連でよく聞く漢方薬
長い歴史のなかで効果・効能が伝えられてきた漢方薬は、なぜ効き目があるのかという科学的証明が行われていないことがほとんどです。
なので漢方薬はあまり効果がないのではないかと利用をためらう人もいるので、まぁここは人それぞれです。
食欲を抑える効果が科学的に解明された「防風通聖散」
「防風通聖散」は食欲増進ホルモンであるグレリンを抑制し、食事量を減少させる効果があることを横浜市立大学医学部の研究グループが証明しています。
肥満症に処方されることが多かった防風通聖散ですが、科学的なメカニズムが解明された数少ない漢方薬の1つです。
薬局ではナイシトールやコッコアポEXなどの名で販売されていたりします。
体がむくみやすい水太りの人には「防已黄耆湯」
食事の量はそれほど多くないのに太りやすいという人は、体の水分代謝が悪いため、水太りになっている可能性があります。
そういった人には、色が白くて、筋肉がやわらかく、むくみやすいという特徴があります。
自分がそういうタイプだと思ったならば、漢方薬の「防已黄耆湯」を試してみる方もいらっしゃいます。
手軽に利用できるダイエット系サプリ
サプリはダイエット中の補助食品として活用できそうな商品が多いです。おすすめのダイエットサプリを紹介していきます。
いつも食べ過ぎてしまう人には「DHC主食ブロッカー」
どうしても食欲を抑えられないという人は、食べる前に「DHC主食ブロッカー」を服用して、主食となることが多い炭水化物の摂りすぎを抑えるのはどうでしょうか。
DHC主食ブロッカーは、白インゲン豆やマロンポリフェノール、サラシアエキスが糖質に働きかけます。
炭水化物は糖質が多いことから、過剰に摂取してしまうと太りやすくなるため注意しましょう。
糖や脂肪の吸収を抑える「大人のカロリミット」
「大人のカロリミット」は、糖質や脂肪の吸収を抑え、脂肪の代謝機能を高めることが臨床試験で確認された商品です。
消費者庁により機能性表示食品として公表されています。
代謝機能は年齢とともに落ちていくのが一般的なため、サプリで補うことができるのはメリットでしょう。
事業者である株式会社ファンケルが、商品の安全性や機能に対する科学的根拠を明示していることもチェックしたいポイントです。
食欲を抑える薬やサプリの危険性も確認しておこう
サノレックスの主成分であるマジンドールは、食欲を抑制する効果があると厚生労働省に認可されています。
しかし、マジンドールを含む海外の医薬品やサプリが安全だとはかぎりません。
実際に、マジンドールを含むダイエット食品を海外からインターネットで購入した人のなかで、嘔吐や下痢、めまいなどの健康被害を受けた例も過去にありました。
ダイエットを目的とした海外の痩せる薬やサプリは、ネット通販などで比較的簡単に入手することが可能です。その入手の手軽さもあって、たびたび薬やサプリによる健康被害が報告されています。
厚生労働省のホームページを閲覧すると、海外から個人輸入した医薬品やサプリによる健康被害の報告と注意喚起が毎年のように行われていることがわかるでしょう。
入手した薬そのものに問題がなかったとしても、他の薬と併用した場合に予想できないような健康被害が生じることもあります。薬を使うときには必ず薬剤師や医師に指示を仰ぐようにしてくださいね。
ダイエットは無理なく計画的に
ダイエットを成功させるために医薬品を利用する場合には、医師の指導のもとで計画的に行う必要があります。
漢方薬を使う場合にも、どういった漢方が自分に合っているのかを専門家と相談するのが一番の近道でしょう。
ダイエットサプリは、あくまで運動や食事制限などのダイエットの補助として服用するのに適しています。
それぞれの特徴や服用方法を確認したうえで、ダイエットを無理なく計画的に行いましょう。
本記事のまとめ
- 食欲を抑制するサノレックス
- 脂肪吸収を抑制するゼニカル
- 糖質吸収を抑制するボグリボース
- 漢方やサプリは補助目的で
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