本記事は医師監修の下執筆されております。
健康診断で脂質異常症って言われたけどナニ?原因や対処法
2020.09.06
毎年受けている健康診断で脂質異常症と診断されたら、誰でも「まさか自分が」と驚きますよね。
というか「え?脂質が異常ってなに?危ない病気なの?」と心配になっている方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、脂質異常症は合併症などが無ければそこまで心配する必要はありません
とはいえ、健康診断で指摘されたなら大抵の場合再検査もあるので、この機会にしっかり治しましょう。
今回は、脂質異常症の主な原因や対処法について解説します。
目次
そもそも脂質異常症とは?
脂質異常症は、血液のなかにある脂質の量が基準とされる値から外れている状態のことです。以前は「高脂血症」といわれていました。
脂質異常症=血液に脂質が多く血がドロドロになっている状態
異常値を示す脂質には、悪玉コレステロール(LDL)、善玉コレステロール(HDL)、中性脂肪(トリグリセライド)があり、悪玉コレステロールが基準値より多かったり、善玉コレステロールが基準値より少なければ異常値と診断されます。
よく勘違いされる方がいますが、脂質異常=太っているわけではありません。
標準的な体型の女性でも脂質異常は多くみられます。
そして脂質が異常値と診断されても、必ずしも治療が必要というわけではありません。
目次
脂質異常症になる主な原因は?
脂質異常症になりやすい三大原因は、①食事②喫煙③運動不足です。
脂質異常症の主な原因
- 動物性脂肪の多い食事(脂身、バターなど)
- インスタントラーメンなどの加工食品
- 卵やレバー
- ファストフード全般
- 喫煙
- 運動不足
- 遺伝
特に悪玉コレステロールが増える原因には、肉の脂身やバターなど動物性脂肪の多い食事や、インスタント麺などの加工食品の過剰摂取が影響しています。
コレステロールを多く含む卵やレバーなどを多く摂取している場合も脂質異常症の原因になりやすいとされています。
脳
僕の大好きなひき肉や鳥皮なんかも脂質異常の引き金になることがあるよ!
さらに、脂質異常症になる原因は、遺伝的な要素も含まれています。この場合は進行が速いので、食事に気を付けるほかに病院での治療が必要です。
これは脂質異常症としては少ないケースですが、近親者に脂質異常症が多い場合は注意が必要です。
脂質異常症になるとどんなリスクがあるの?
病院での治療は必要ないと言いましたが、脂質異常症は増えすぎた悪玉コレステロールが血管壁に付着し「血液がドロドロ」な状態にあります。
血液がドロドロだと動脈硬化が進行しやすくなり、引いては心筋梗塞や脳梗塞などのリスクがあります。
また、普段から血管に負担がかかりやすい高血圧の人が脂質異常症になると、血管壁へのダメージが進みやすくなるので注意。
脳
持病を持つ人が脂質異常症になったらかかりつけの医師に相談だ!
脂質の異常値を改善するには?
脂質異常を改善するには①食事習慣を見直す、②生活習慣を見直す、が大事です。
脂質異常症の改善方法1:食事
脂質異常症と言われたらやってみよう!
- 揚げ物やお肉の脂質を少しでも減らす
- 不飽和脂肪酸の多いサンマやサバを食べる
- 豆類(植物性タンパク質)を食べる
- 食物繊維を摂る
脂質異常症といわれたら、普段何気なくしている食事や間食についての見直しをしてみましょう。現代人は、揚げ物や肉などの動物性の脂質を多く摂る一方で、主食や野菜などが少ないなど食生活のバランスは乱れがちになっています。必要な量の主食は摂りながら、多すぎる動物性脂質を控えめにするといいでしょう。
ただし、同じ動物性脂質でも、サンマやサバなどの青魚に含まれる不飽和脂肪酸にはLDLを減らす働きがあるといわれているので積極的にとってもOK
卵黄や内臓類などコレステロールを多く含む食材についても、それまで摂り過ぎていた人は減らすといいでしょう。
脂質異常症の場合は、豆類などの植物性たんぱく質や食物繊維はコレステロールや中性脂肪を減らす働きがあるのでおすすめ。大豆製品である「豆腐」や「納豆」などはベストです。
脂質異常症の改善方法2:生活習慣
脂質異常症と言われたらやってみよう!
- たばこをやめる
- 運動をする
- ゆっくり食べる
- 満腹まで食べない
見慣れているかもしれませんが、脂質異常症の改善を目指すなら上記のように生活習慣の見直しをする必要があります。
一番いいのはカラダを動かすことです。軽いジョギングや筋トレなどでカラダに負荷をかけて脂肪を減らしましょう。
脂質異常症と診断されたら食事や生活習慣を見直して改善しよう!
脂質異常症は、善玉・悪玉コレステロールや中性脂肪の値が基準値を外れてしまうものです。
脂質異常症になると動脈硬化が進みやすいため、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクが高まります。
異常値になる主な原因として、毎日の食事や生活習慣が深く関わっているので、正しい知識を持ち改善していくことが大切です。
本記事のまとめ
- 脂質異常症は血液ドロドロ状態の事
- 太っているということじゃない
- 多くの場合病院への通院は不要
- でも動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞のリスクもあり
- 生活習慣の改善が治療への近道
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