本記事は医師監修の下執筆されております。
大食いや早食いをやめたい!ガツガツ食べないための食事術とは
2020.07.15
1回の食事時間と咀嚼回数を調べた報告によると、戦前の食事時間は平均22分、咀嚼回数1420回だったのに対し、現代の食事は平均11分で咀嚼回数は620回にまで減っているそうです。
現代人はやわらかい物ばかり食べるので、噛む回数が減り、知らない間に早食い傾向になっている人も多いです。
早食いには明確な定義はありませんが、一般的には①食事時間が15分以内②噛む回数が少ない人を指します。
早食いになると食べすぎ、肥満、胃腸障害になりやすいので「仕事が忙しくて食事に気を配っていられない」という方は要注意ですよ!
目次
早食いしてしまう人の特徴
- 食事時間が短い
- よく噛まずに飲み込む
- 一度に口に含む食べ物が多い
- 食べ物を次から次へと口に運ぶ
食事時間が短い
一度の食事時間が15分以内の場合は早食い気味です。忙しい人やせっかちな人は食事時間が短くなりがちなので注意。
よく噛まずに飲み込む
食べ物を口に入れて何度か噛むだけで、すぐにゴクンと喉に流し込んでしまう。食べ物を「よく噛まずに飲み込む」のもよくありません。
最近の食べ物は、「ふわふわ」とか「もちもち」など、やわらかい食べ物が増えたので噛む必要がないので、自然と咀嚼回数が減ってるという指摘もあります。
一度に口に含む量が多い
さらに、一度に口に含む食事の量が多い人は、早食いになりやすいため要注意です。モグモグと頬いっぱいに食事をほおばるクセがある場合は気を付けましょう。
食べ物を次から次へと口に運ぶ
それと意外に多いのが、食べ物を口に運ぶ間隔が短い人です。咀嚼中にもかかわらず、飲み込む前に次々と食べ物を口に運ぶ人も少なくありません。口のなかに食べ物が残っているときは、まずそれを飲み込むクセを身につけることが大切です。
目次
早食いすることのデメリット
- 食べすぎ
- 胃腸への負担
- 栄養吸収の阻害
- 顔の筋肉の衰え
早食いをしている人のなかには、「別にやめなくても問題はない」と考える人もいるでしょうが、早食いを続けると、体にさまざまな影響が出る可能性があるため注意が必要です。
食べすぎ
早食いを続けた場合、肥満リスクが高まるという見方があります。なぜなら、早食いだと十分な咀嚼が行われないことが多く、結果として満腹感を得るまでに時間がかかり、そのぶん「大食い・食べ過ぎ」になる可能性が高まるためです。
厚生労働省が実施した「平成21年国民健康・栄養調査」によると、肥満ではない男性に比べて、肥満体型の男性は食べる速度が速いというデータがあります。
このような理由から、早食いが習慣化している人は肥満になりやすいとされているのです。
胃腸への負担が大きくなる
しっかりと噛んで飲み込むことで胃は食べ物を消化できます。
しかし、早食いでよく噛まずに食べ物を飲み込むと、うまく消化が行われない原因につながるため注意が必要です。
消化しきれなかった食べ物は腸に流れ、そこで何とか消化しようという働きが起こります。すると、腸に大きな負担がかかり、思わぬ不調を招く原因になるのです。
栄養素の吸収が妨げられることがある
前述のように、きちんと噛まずに飲み込まれた食べ物は、胃での消化がうまく行われない可能性があります。すると、バランスの良い食事をとっていても、しっかりと栄養素を吸収できないことがあるのです。
例えば、バランスのいい食事をとっても、うまく栄養を吸収できず貧血や肌荒れなどの原因になります。本末転倒です。
顔の筋肉が衰えやすくなる
あごや頬などの顔の筋肉は、噛むことで発達します。
しかし、よく噛まずに早食いを続けると、頬や口周りの筋肉が衰えてしまう原因になるのです。
これらの筋肉が衰えると、皮膚がたるみ老けて見えることがあります。
早食いは顔の印象といった美容面にも影響をおよぼすおそれがあることを、頭に入れておきましょう。
早食いをやめるメリット
- 食べすぎ防止
- 脳が活性化
- 消化がスムーズに
意識して早食いをやめると、さまざまなメリットを得られます。具体的なメリットには、以下のようなものがあります。
大食いや食べ過ぎを防げる
食べ物をよく噛むことで満腹中枢が刺激され、満腹感を得やすくなります。
その結果、たくさんの量を食べなくても満足しやすくなり、大食いや食べ過ぎを防止できるのです。
ダイエット中の人にとって、大きなメリットといえるでしょう。
脳が活性化する
食べ物をきちんと噛むことで、咀嚼筋が刺激されて血行が良くなることが見込めます。
すると、栄養や酸素が脳に行き届くようになり、脳が活性化します。
消化がスムーズになる
ゆっくりと時間をかけてよく噛んで食べると、唾液の分泌量が増えます。
すると、食べ物の消化がスムーズになり、胃腸への負担を減らすことができます。
早食いをやめるための食事術
- 噛み応えのある食べ物を選ぶ
- 食事前に水を飲む
- とろみのあるものを選ぶ
噛みごたえのある食べ物を選ぶ
やわらかい食べ物はよく噛まなくても飲み込みやすく、早食いになりがちです。
そこで、やわらかいものは避けて「噛みごたえのある食べ物」を選ぶことで、早食いを防止できます。
たとえば、やわらかいパンよりも、しっかりとした食感の玄米を選ぶと良いでしょう。刺身の場合は、マグロよりもイカやタコといった弾力のあるものを選ぶことがポイントです。さらに、根菜やきのこなどの歯ごたえが良いものも、噛みごたえがありおすすめです。
こうした食べ物を意識的に摂取することで、自然に噛む回数が増えて早食いを避けられます。
食事前に水を飲む
お腹が空いていると、どうしても目の前の食事を「早く食べたい」と気持ちが急いてしまうものです。
このような焦りが早食いを招く大きな原因につながります。焦りによる早食いを防止するには、「食前に水を飲む」と効果的です。
食前に水を飲むと胃が膨らみ、空腹感を落ち着けることができます。
とろみのあるものを選ぶ
オランダのヴァーヘニンゲン大学の研究チームによると、人間が満腹感を感じるのはカロリーの多さではなく、飲み物の濃さにあるということを発見しました。
つまり、濃度が高ければカロリーが低くても満腹感を感じやすいということ。
この「人が満腹感を決めるのはカロリーではなく濃度」という現象は満腹の幻覚(Phantom fulness)などと呼ばれています。面白いネーミングですね。
というわけで、食事を取るときはとろみのあるものや、少し濃厚なものを選ぶと早めに満腹感を感じるようになるので、おすすめです。
ただし、濃厚なものが良いといってもラーメンのスープとかスタバのホワイトホットチョコレートを飲めばいいわけじゃないですからね(笑)
早食いをやめるための工夫
- 少し重い食器で食べる
- スプーンは小さいサイズを選ぶ
- お皿のサイズを一回り小さくする
気を付けていても、なかなか早食いがやめられない人もいます。このような場合は、食事に少しの工夫を取り入れてみることがおすすめです。早食いをやめるためにできる工夫には、以下のようなものがあります。
少し重い食器を使う
いつも使っているお箸やスプーン、フォークを少し重い物に変えてみてください。
手に重量感を感じるので、沢山食べ物を食べているように感じるはずです。
嘘だと思いました?そう思うなら一度試してみてください。
スプーンは小さいサイズを選ぶ
スプーンはついたくさんの量をすくって口に運んでしまいがちです。
口に食べ物を運ぶ量を減らすために、小さめのスプーンを用意しましょう。
少しずつ食べ物を口に運ぶことで食事の時間が長くなり、満腹感を得やすくなります。
お皿の大きさを一回り小さくする
いつもつかってるお皿のサイズを一回り小さくしてみましょう。
こちらはデルブーフ錯視に基づく錯覚トリックなのですが、小さなお皿に料理を盛ると、お皿の上を占める料理の面積が増えるので、量が多く感じます。
実際にこのデルブーフ錯視を使った実験で、少量でも満腹感を感じやすくなったというリサーチもあります。
普段から大食いの人には効果が薄いのと、子供だましのように聞こえるかもしれませんが、効果あるのでぜひやってみてください。
ポイントを押さえて早食いを防止しよう!
早食いをやめるとダイエットに役立ったり、消化がスムーズになったりするなど、多くのメリットを得られます。
早食いは習慣化しているとやめることが難しいと思われがちです。
しかし、実際には日々の食事方法を工夫することで予防できます。噛みごたえのある食材を選ぶ、食前に水を飲むなど、自分に合う方法を見つけて早食いを防止しましょう。
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