本記事は医師監修の下執筆されております。
プチ断食に関するよくあるギモンに答えます
2020.12.09
手軽にできて、ダイエットや体質改善にもなる「プチ断食」が話題です。
チャレンジしてみたいと思う人が増える一方で、その過程で現れるさまざまな副作用を考えると足を踏み出せない人も多いのではないでしょうか。
この記事では「プチ断食」のNG事項など基礎知識を中心に、多くの人が抱く5つの疑問について解説していきます。
目次
①妊婦、痩せすぎの人、病人のプチ断食はNG
「プチ断食」をすると危ない人、向いていない人がいます。
例えば妊婦がプチ断食をすることは危険です。妊娠中は栄養の摂取が必須で、たとえ一時的でも糖質やたんぱく質、脂質などを制限してしまうことは体に悪影響です。また、痩せすぎてしまうと切迫早産など出産のリスクも高まります。
また、BMI値(体格指数)が18以下の人はプチ断食に向きません。日本肥満学会の判定基準では、BMI値が18.5未満の人は既に「低体重(痩せ型)」です。
体重の管理が必要な場合は医師と相談し、断食以外の方法を選ぶようにしましょう。
薬を継続して飲んでいる人も薬の効き目に影響があるため注意が必要です。薬を飲むタイミングや断食を行ってもよいかなどを医師に相談してから行うようにしましょう。
「プチ断食」中は脱水状態に陥りやすく、血液が濃縮されいので脳卒中や心筋梗塞などになったことがある人も注意が必要です。
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②生理前~生理中のプチ断食は避けよう
生理中は「プチ断食」をするのに向いていません。生理中はホルモンバランスの関係で感情が不安定で、体調が優れない時期です。
空腹状態になるとより一層イライラしやすくなります。
栄養をとってゆっくり過ごし、生理が終わってから再チャレンジしましょう。
同様の理由で、仕事が忙しいときや、予定が詰まっているときなどストレスがかかりやすい時期も避けたほうが無難です。
③好転反応(めまいや吐き気)が出たら無理は禁物
「プチ断食」を行うと血液中の糖質が不足し、エネルギーを作り出せなくなります。
その原因の1つにあげられるのが「好転反応」です。「好転反応」は、症状が改善していく途中で老廃物などが排出されることで起きる現象で、「プチ断食」の最中にも起きることが多いと言われています。
細胞の中では、古くなった小器官やたんぱく質を分解して作り直す「オートファジー(自食作用)」が活性化し、血中に老廃物が排出されます。こうした過程で起きるのが「好転反応」です。
「好転反応」は、頭痛や強い眠気、発汗や下痢、肌荒れなどさまざまな場所に現れます。
通常は徐々におさまっていきますが、強い症状が出た場合にはほかの原因があるかもしれません。
強い不快感を感じたら、我慢せずにプチ断食を中断しましょう。
④断食後の真っ黒い宿便には怖がらないで大丈夫
「プチ断食」を終えて1週間くらいで黒っぽい便がでて驚くかもしれません。
これは厳密には宿便(滞留便)ではなく、胆のうにたまっていた胆汁です。胆汁はコレステロールを原料に作られる脂質を消化しやすくする分泌物です。
お肉を食べると便が黒っぽくなるのは、胆汁がお肉の脂質を分解するために分泌されるからなんです。
胆汁にはコレステロールが回収した不要物が沢山含まれているので、なんとなく「毒素出たー!」という気分も高まりますよね。
ただし!血液が混じっていたり、黒い便がいつまでも続いたりする場合は医師に相談しましょう。
タール便、黒色便は基本的に上部消化管出血によるもので、基本的にイカ墨を食べる以外で真っ黒な便が出るのは病気の可能性が高いです。
⑤最初は体重が落ちない、痩せないので過剰に期待しないように
「プチ断食」は軽い脱水症状が起きやすく、それによって体の水分量が減ります。
「プチ断食」直後に体重が減っていたとしたら、それは脂肪が燃焼したのではなく、水分量の減少だと考えたほうがよいでしょう。
「プチ断食」は即効性のあるダイエット法ではなく、続けることによって食べ過ぎを防止し、痩せやすい体質に改善する方法です
習慣化したらきちんと痩せるようになります。
習慣化したのに全く痩せないって人は、糖分や添加物の多い食事生活を見直す必要があります。
⑤プチ断食後のリバウンドの原因は回復食にあり
「プチ断食」をした直後の胃腸は食べ物を吸収しやすい状態になっています。
その状態でカロリーの高いものを摂取すると、リバウンドの可能性が高くなります。
プチ断食の翌朝に食べるなら、サラダや野菜スムージー、味噌汁。昼食になっても野菜、発酵食品、お豆腐、海藻類、きのこ類、ナッツ、穀物などを中心になるべく肉や魚は避けましょう。
断食の苦行から解放されてドカ食いしたい欲求に負け、ラーメン、焼肉、ケーキ、とんかつをむしゃむしゃ食べるとリバウンドします。
断食直後の食事は、おかゆなど消化の良いものを少量から食べるようにし、体を回復させましょう。
徐々に普段の量に戻していけばリバウンドのリスクは低くなりますよ。
正しい知識で「プチ断食」にチャレンジしよう
「プチ断食」で食事を取らないのは1日だけですが、体の中ではダイナミックな変化が起きています。
危険とされている状態のときは実行しないようにしてください。
「プチ断食」の最中にいつもと違う症状が出て辛いときは、我慢しすぎずにリタイアすることも必要です。副作用が出る可能性を頭において、正しい知識をもとに行いましょう。
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