本記事は医師監修の下執筆されております。
脂肪溶解注射は顔痩せに効果あり。二の腕・太もも・お腹痩せには不向きな理由。
2021.02.09
キレイになりたいけれど、食事制限は続かないしエクササイズする気力も時間もない。
そのような人たちにも選ばれることが多いのが美容医療で、脂肪溶解注射もそのひとつです。
しかし、『脂肪溶解注射ってなんか危なそう、安全なの?』など不安要素は多いですよね。
というわけでこの記事では、脂肪溶解注射のメカニズムと部位別の効果やリスク、さらに気になるコスト面について詳しく説明します。
目次
脂肪溶解注射とは大豆由来の治療薬
脂肪溶解注射の成分はもともと脂肪肝や高脂血症などの治療薬として使われていました。
脂肪溶解注射成分 | 効能 |
---|---|
フォスファチジルコリン | 脂肪細胞を血中へと流しだす |
L-カルニチン | 体内のエネルギー消費に関わるミトコンドリアに脂肪細胞を運ぶ。ミトコンドリア内で脂肪が燃やされエネルギーとなる |
αリポ酸 | 新陳代謝をあげる働きがある。脂肪をエネルギーに変換しやすくする。抗酸化作用 |
大豆から抽出されるフォスファチジルコリン、これは脂肪細胞を血管へと流し、汗や尿として体外に排出させる作用があり、皮下脂肪へ注射し、部分的に脂肪を破壊することで部分痩せができます。
しかしフォスファチジルコリンで流し出しただけでは効果は期待できず、「L-カルニチン」と「αリポ酸」という脂肪燃焼に必要な成分を含んで初めて十分な効果を発揮します。
脳
「フォスファチジルコリン」「L-カルニチン」「αリポ酸」3つとも美容サプリメントなどで有名だね
脂肪細胞自体が体外に排出されるので、脂肪溶解注射部位のリバウンドリスクは低め。
注射した部位に効果がでるものなので、全体的な体重減少には向いておらず、部分痩せしたい人向けです。
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最近は『BNLS neo』という脂肪溶解注射が主流
従来の脂肪溶解注射は大豆由来のフォスファチジルコリンが含まれていましたが、BNLS(Brand New Liposcupting Solution の略称)には大豆由来のフォスファチジルコリンを含んでいません。
そのBNLSにデオキシコール酸を含んだものがBNLS neoです。
今の脂肪注射はBNLS neoが主流です。
デオキシコール酸は胆汁酸の仲間で、皮下細胞に注射すると脂肪細胞を破壊し、脂肪を減少させる作用があります。
これは米食品医薬品局(FDA)から、脂肪の減少に効果があると認められている成分です。
デオキシコール酸を含む脂肪溶解注射は様々な種類がありますが、脂肪溶解・抗炎症・保湿などを助ける成分を含んでいるものもあります。
クリニックによって使用している成分が違う場合があるので、利用前に確実にクリニックHPをチェックするようにしてくださいね。
脳
大豆アレルギーの人は脂肪溶解注射の施術ができないので注意してね!
脂肪溶解注射は二の腕、お腹、太もも痩せに不向きです
脂肪溶解注射で脂肪を破壊するには、脂肪の十倍分の薬剤が必要となるため、二の腕・お腹・太ももなど、脂肪の多い部位には不向きです。
例えばお腹まわりで痩身効果を実感しようと思ったら脂肪は1kgくらい落としたいですよね?
脂肪1kgって大体1,111ccくらいなんですが、その10倍となると『11,110cc』の脂肪溶解注射が必要になるわけです。
そんなのだれから見たって過剰投与だとわかりますよね。
こうした過剰投与は人体にも影響を及ぼします。
脂肪溶解注射により溶けた脂肪は尿と一緒に排出されるのですが、こうした代謝の中で腎臓がフル活用され、腎臓に大きなダメージを負うこともあるのです。
脳
過去の事例で、大量に脂肪溶解注射を投与したせいで腎不全を引き起こし、人工透析が必要になったケースもあるみたいなので注意!
薬剤を大量に投与すると腎臓が先にこわれてしまうかもしれませんので注意しましょう。
脂肪溶解注射に適している部位は顔(まぶた・頬・アゴ)です
脂肪溶解注射に適している部位はズバリ、まぶた、頬、フェイスラインなの脂肪が多い場所です。
こんな人におすすめ
- 上まぶたが脂肪で腫れぼったい
- 頬下の脂肪が多く顔が四角っぽいのが悩み
- 二重あごで悩んでいる
- でも整形はしたくない
赤みや内出血や腫れなどの副作用はありますが、以前紹介した脂肪吸引などの美容整形などと比べるとはるかにリスクは低いです。
顔のパーツであれば脂肪数cc分解するだけでも見た目に差が生まれるので効果を実感しやすいはずです。
安全面を考慮しても顔のような比較的脂肪の少ない顔パーツで施術を受けるのがおすすめ。
脂肪の少ない鼻もあまり効果は期待しない方がいい?!
意外と知られていませんが、脂肪溶解注射は鼻にはあまり適しません。
鼻には溶かす脂肪が少ないからです。
ネットで検索すると「団子鼻の改善に良い!」と書いてあるページも散見されますが、基本的には効果はあまり期待できないと考えておきましょう。
先ほどお伝えした通り、脂肪溶解注射は頬やアゴ下などの脂肪が比較的多いフェイスラインが適応です。
脂肪溶解注射の主な副作用とダウンタイムについて
主な副作用
- 注射箇所の腫れ、内出血
- 施術箇所の左右バランスの乱れ
脂肪溶解注射・BNLS注射の主な副作用は腫れ・赤み・内出血といった軽いものです。
まれに「顔の左右のバランスが非対称になった」「顔が非対称になった気がする、なんかおかしい」と感じる方もいるようですが、こればっかりは個人差で、顔の場合は骨格や表情筋によるところもあるので何とも言えません。
先ほど言った通り薬剤の大量投与さえなければ、そこまで大きな副作用やダウンタイムはほとんど無いとされています。
脳
経験豊富な先生のいるクリニックを選び、先生とよく相談してから施術をうけるようにしましょう。
アレルギー持ちや妊婦さんなどは脂肪溶解注射できないので注意
脂肪溶解注射は比較的身体への影響は少ないといわれていますが、以下の人は施術を受けない方がいいです。
- 大豆アレルギーがある人(脂肪溶解注射)
- デオキシコール酸など成分にアレルギーがある人(BNLS neo)
- 妊娠中・授乳中の人
- 甲状腺・心疾患など持病がある人
加えて先ほど説明した通り、薬剤の大量投与による腎臓への負担も考慮して、二の腕・太もも・お腹まわりのぜい肉の施術はなるべく避けた方がいいかもしれませんね。
脂肪溶解注射の費用目安は一回1万5000円程度
脂肪溶解注射1本にかかる値段はクリニックや診療所によって違いがあります。
多くのクリニックは1本あたり1万~1万5000円ほどの料金に設定しているようです。
ただし、パーツ別に必要となる費用の目安は、1回の治療で何本の注射を打つのか・合計何回通院するかによって差が出ます。
パーツ | 注射本数(目安) |
---|---|
額 | 1本 |
まぶた | 1本 |
鼻 | 1本 |
頬骨部 | 1~4本 |
頬(法令線のあたり) | 1~2本 |
下頬部 | 1本 |
輪郭 | 1~2本 |
側頬部 | 2~4本 |
顎下部 | 3~5本 |
例えば、1本1万円の脂肪溶解注射を下頬部左右に1本ずつ、3回通院したとします。
合計料金は1万円×2本×3回で6万円となります。
個人差はありますが、満足のいく結果になるまで通院するとなると複数回の通院は必須ですね。
ご利用は計画的に!
運動をしなくても部分やせが期待できて、副作用やダウンタイムが少ない脂肪溶解注射・BNLS注射。
1回の施術で受ける注射の本数や通院の回数次第で、治療にかかるコストが変わります。
クリニックの先生と念入りなカウンセリングを受け、しっかりとプランを立てたうえで施術を進めましょう。
本記事まとめ
- 脂肪溶解注射とBNLS注射は自分の目的に合わせて選択しよう。
- 副作用やダウンタイムはほぼない。
- アレルギーがある人・持病がある人は注意。
- 予算計算はあらかじめしっかり行おう。
- カウンセリングは入念に行おう。
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