本記事は医師監修の下執筆されております。
国内で承認されているGLP-1製剤の種類まとめ
2020.03.26
日本国内で承認されているGLP-1製剤の一覧です。
商品名 | 一般名 | 投与頻度 |
---|---|---|
ビクトーザ | リラグルチド | 1日1回 |
バイエッタ | エキセナチド | 1日2回 |
ビデュリオン | エキセナチド | 週1回 |
リキスミア | リキシセナチド | 1日1回 |
トルリシティ | デュラグルチド | 週1回 |
オゼンピック | セマグルチド | 週1回 |
製造している会社が違ったり、投与頻度が違ったり、ヒト由来のものから、トカゲ由来のもの(エキセナチド)なんかもあります。
トカゲ由来のGLP-1製剤はアメリカドクトカゲが小動物を捕食しても血糖値がほとんど上昇しなかったことがきっかけで発見されたそうですよ。
ちなみに海外のリサーチによると、2型糖尿病の治療薬としては米国、欧州共にオゼンピック(セマグルチド)が半数以上の支持を集めています。
全て一つ一つ丁寧に解説をしていってもいいのですが、それだと長いしつまらないと思うので、 日本のクリニックでよく見かけるビクトーザ、トルリシティ、オゼンピックの3種類についてわかりやすく解説していきます。
なお、GLP-1製剤の説明にはバイオインフォマティクス研究用のデータベース「KEGG」を参考にさせていただいております。では、どうぞ。
目次
①ビクトーザ(リラグルチド)の特徴
- 販売名:ビクトーザ皮下注18mg
- 1日1回朝または夕に投与
- 低用量(0.3mg)から投与を開始
- 1週間以上間隔をあけ0.3mgずつ増量
抗肥満剤として効果が示されている「リラグルチド」が含まれたGLP-1製剤。
美容クリニックなどでの取り扱いも多いです。
目次
②トルリシティ(デュラグルチド)の特徴
- 販売名:トルリシティ皮下注0.75mgアテオス
- 週に1回0.75mgを投与
- 同一曜日に投与
週に1回の投与で出来るGLP-1製剤。
後述するオゼンピックよりも効果は薄いという結果あり(SUSTAIN-7試験)。
③オゼンピック(セマグルチド)の特徴
- 販売名:オゼンピック皮下注2mg
- 週に1回0.25mgを投与
- 4週間後に週1回0.5mgに増量
- 同一曜日に投与
日本での取り扱い数は多い方ではなくあまり見かけません。
ただ、前述のトルリシティよりも効果は高い印象を受けます。
抗肥満薬として唯一承認されてる「リラグルチド」
アメリカやEU諸国、韓国などで 抗肥満薬として認可されているのは「サクセンダ(リラグルチド)」のみです(2020年現在)。
サクセンダには、BMI30以上の肥満という条件付きですが、2型糖尿病でない人でも痩せた、という臨床データがあります。
サクセンダの中身は「リラグルチド」です。しかし、日本国内では「サクセンダ」は承認されていません。
なので、使用容量が違うだけで成分が同じ「ビクトーザ」を処方するのが医師として適当だと考えております。
薬剤名 | サクセンダ | ビクトーザ |
---|---|---|
成分 | リラグルチド | リラグルチド |
製造会社 | ノボノルディスク | ノボノルディスク |
投与方法 | ペン型注入器 | ペン型注入器 |
薬剤量 | 18mg | 18mg |
投与量上限 | 3.0mg | 0.9mg |
サクセンダとビクトーザは、一回あたりの投与量上限が違う以外は全く同じです。
どのGLP-1製剤が一番効果があるの?
どの薬剤が一番ダイエット効果が高いの?という疑問に対する答えですが、これはまぁなんとも言えません。
お薬を毎日投与するのが面倒だという人は週に1回投与でするタイプが良いかもしれません。
しかし週1タイプのGLP-1製剤(トルリシティ、オゼンピック)は薬剤が強めなので副作用が出やすいという報告もありますので、毎日1回タイプのGLP-1製剤(ビクトーザ)が身体に合うかもしれません。
これに関しては本当に人によりけりだと思います。クリニックと相談するのが一番の解決策です。
当院では前述の理由から、ビクトーザ(リラグルチド)を皆様におすすめしています。
GLP-1製剤選びにはクリニック選びが重要!
GLP-1ダイエットは医師の指導の下、GLP-1の投与量を調整しながら行う医療ダイエットです。
普通体型、痩せ型の多い日本人に対してはまだまだサンプルに乏しいので、自己判断でGLP-1ダイエットを行うのはやめましょう。
「自分でもやせられるのか?」「美容目的でも大丈夫?」といった不安はクリニックに相談するのが一番です。
個人的に言えば、GLP-1ダイエットは「今までやってきたどのダイエットよりも効果がでる」という喜びの声を最も多く聞くダイエット方法の1つなので、クリニック選びは慎重にしていただくようおねがいします。
GLP-1ダイエットのリスクや安全性についてまだまだ気になる方は以下の記事でもまとめてありますのであわせてどうぞ。
この記事のまとめ
- 諸外国で抗肥満薬として認可されているのは「サクセンダ(リラグルチド)」のみ
- しかし「サクセンダ」は国内承認されていない
- 投与量上限が違うだけで成分が同じ「ビクトーザ(リラグルチド)」は国内承認されている
- GLP-1製剤選びと同じくらいクリニック選びは重要
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