本記事は医師監修の下執筆されております。
なぜダイエットではタンパク質を摂るといいの?
2020.10.10
たんぱく質は、脂質や糖質と並ぶ三大栄養素ですが、その重要性を理解している人は多くありません。
毎日の食事でどれだけ良質なたんぱく質を取れるかで健康に暮らせるか決まる、というくらいタンパク質は私たちにとって必要不可欠な栄養なんです。
本記事ではタンパク質の重要性や、なぜダイエットをする際にタンパク質を摂るのが大事なのか丁寧に解説していきます。
高タンパク質食がダイエットに良い理由は3つ!
ダイエットでなぜタンパク質を摂るといいのか、その理由は大きく分けると以下の3つです。
高たんぱく食がダイエットにいい理由
- コレシストキニン(CKK)の分泌を促し食欲を抑制できる
- 脂肪になりにくい
- 脂肪分解酵素リパーゼを活性化させる
高たんぱく質の食事を取ると小腸からコレシストキニン(CKK)というホルモンが分泌されます。
CKKには満腹感を感じやすくしてくれる効果があり、食べすぎを防げるということが分かっています。
また、タンパク質は、三大栄養素(タンパク質、脂質、糖質)の中で最も脂肪になりにくいという性質があり、ダイエットに非常に向いています。
さらに、リポタンパク質リパーゼ(分解酵素)を活性化させ中性脂肪を分解するのを助けてくれる効果もあります。
以上がダイエットにタンパク質が大事な理由です。
ちなみにタンパク質を日常的に摂取すると筋肉量が増え基礎代謝も上がりますが、カロリー消費量的には数パーセント程度にとどまるのでそこまで大した差はないです。
目次
ココがすごいよタンパク質
たんぱく質の基礎知識
- 人体の15%~20%を占める
- 体内に貯めておけない
- やる気や集中力を保つ
- 免疫力を保つ
- ストレス予防
- 若さを保つ
- 骨を強くする
たんぱく質と聞くと、筋肉を作るイメージがありますが、実は筋肉以外にも内臓、皮膚、髪の毛、歯、脳、ホルモン、酵素、免疫物質、なんかも全てタンパクを主原料として出来ています。
ダイエット食品によくあるプロテインやアミノ酸なんかもたんぱく質の一種ですね。
脂肪のように体内に貯めておくことができず、絶えず体内で分解と合成を繰り返すので、毎日の食事で適量を取り続ける必要がある栄養素です。
タンパク質の目安は標準体重の女性で1日あたり50g程度は欲しい所ですね。
人間がエネルギー源として使われる順番は①炭水化物(糖質)、②脂質、③タンパク質なので、タンパク質を多めにとることで、脂肪を効率よく燃焼できる身体が手に入りますよ。
ちなみに厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、30歳~49歳の男女の場合、1日に摂取するエネルギーのうち炭水化物は50~65%、脂質は20~30%、そしてタンパク質は13~20%の割合で摂るのが望ましいとしています。
良質なタンパク質とは?!アミノ酸スコアについて
タンパク質は、たくさんのアミノ酸が重合してできた高分子化合物です。
タンパク質を構成するアミノ酸は全20種類で以下の二つに分けられます。
- 食品から摂取しなくちゃいけない『必須アミノ酸』9種類
- 体内で作れちゃう『非必須アミノ酸』11種類
必須アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、トリプトファン、リジン、ヒスチジン、トレオニン、フェニルアラニン)は体内で合成できず、必ず食品から摂取する必要があります。
しかし、必須アミノ酸のなかでも、例えば筋肉をつくるのに欠かせないバリンは牛肉や豚肉に、リジンは大豆製品に多く含まれているという具合に、アミノ酸の構成は食品によって異なります。
つまり9種類ある必須アミノ酸を過不足なく摂取したいのであれば、さまざまな食品をバランスよく食べなければなりません。
でもどの食品にどのアミノ酸が含まれてるかなんてわからないですよね?
そこで活用したいのが、食品に含まれる必須アミノ酸のバランスを評価した「アミノ酸スコア」です。
アミノ酸スコアは100に近いほど良質なたんぱく質食品ということになります。
アミノ酸スコアが100の食品としては、牛肉、豚肉、鶏肉、鯵、鮭、鶏卵、牛乳、大豆などがあげられます。
アミノ酸スコア100の食材たちを紹介
- 牛肉
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トリプトファンが幸せホルモン「セロトニン」の生成を促し、脳神経や自律神経に働きかけてリラックスさせてくれたり前向きな気持ちに切り替えてくれる効果あり。鉄分豊富で、貧血や冷え対策にもばっちり。部位によっては脂肪が多くカロリーが高いので注意。
- 豚肉
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豚肉は糖質の代謝に欠かせないビタミンB1や必須脂肪酸であるオメガ6系脂肪酸(アラキドン酸)が豊富。部位によっては脂肪が多くカロリーが高いので注意。
- 鶏肉
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赤身肉は沢山摂取で腎臓への悪影響が懸念されるが、鶏肉などの白身肉はその心配なし。ささみは100gあたりのタンパク質含有量が23.9g、脂質量が0.8g。高タンパク、低脂質の理想食品。
- 鮭(サケ)
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100gあたりのタンパク質が22.3gと豊富であるのに加え、脳血栓や心筋梗塞の予防に効果があるアスタキサンチンを多く含む。必須脂肪酸であるEPAやDHAの含有量が高い健康食品。
- 鯵(アジ)
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ロイシン、イソロイシン、リジンが豊富。たんぱく質、脂肪、ビタミンB群、カルシウムやミネラルなどすべての栄養素がバランスよく含まれている。必須脂肪酸であるEPAやDHAの含有量が高く血液サラサラ効果期待。
- 鶏卵
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ビタミンCと食物繊維以外のあらゆる栄養素を効率よく含む「完全栄養食」。タンパク質は1個(50g)あたり6.2g。値段も安い。バリン、ロイシン、イソロイシンが豊富で日頃から運動をしている人におすすめ。値段も安い。
- 牛乳
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カルシウムやビタミンA、B2、Dなどの栄養が豊富に含まれている「準完全栄養食品」。タンパク質はコップ1杯(200cc)で6.6g。ちなみにコップ1杯(200cc)で7.6gの脂質が含まれていますが、この脂質の多くはエネルギーとして分解されやすく、かつ中性脂肪として体に蓄積しにくい中鎖脂肪酸です。丈夫な骨を目指して。
- 大豆
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豆大豆製品のタンパク質は、木綿豆腐100gで7.0g、納豆100gで16.5g、豆乳200ccで7.2g、肉類に比肩する量のタンパク質が含まれているのに低カロリー。大豆製品に多く含まれている大豆イソフラボンは、ヒトのエストロゲンとよく似た働きをすることが知られており、肌をつややかに保ったり、骨粗しょう症を予防したりする効果期待。
まずは1日50gから!タンパク質を摂ろう
ダイエットではとかくカロリーに目を奪われがちですが、食事を制限するとタンパク質やビタミンなど必要な栄養素まで制限してしまうことに注意すべきでしょう。
特にタンパク質は筋肉の材料なので、あまりカロリーを気にせず摂取したいものです。
カロリーが高い肉類も脂身を取り除く、ゆでるといった調理法の工夫だけでカロリーを減らせます。
まずは1日50gを目安にタンパク質をとってみてましょう!
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